ACTIVITIESプロジェクト紹介

【予備研究】東アジアの「和解」と戦争の記憶:強制連行の「戦後」史を中心に

 

研究の目的と意義

 

東アジアにおける歴史認識をめぐる葛藤は今日もなお解きほぐされていない。第二次世界大戦―アジア太平洋戦争終結から70年を迎えるにもかかわらず、いまだにこの「戦争」をめぐる記憶と認識において、日本と東アジア諸国の間には無視しえない落差がある。このような落差はなぜ生じ、現在に至るまで再生産されているのか。本研究の目的はこの問いに答えるところにある。

第二次世界大戦期における日本によるアジア民衆への加害のなかでも、強制連行・強制労働の問題は、とりわけ重要な争点といえる。これまでも強制連行問題の解決を意識した実証的な歴史研究などが積み重ねられてきたが、現在の問題は、その蓄積を踏まえることのない言説の影響力が強まっている点にあるといえる。歴史事実に基づかない自己イメージや中国観・朝鮮半島観が一人歩きしている現状にあって、強制連行の事実を解明するだけで自ずと問題が解決に向かうという前提はもはや成り立たない。

そこで、本研究では「強制連行の「戦後」史」という視角を立て、強制連行に関する歴史研究の成果を踏まえたうえで、敗戦後の日本と被連行者たちの関係に注目したい。その際、国家間の外交史や国際政治のレベルにとどまらない、民衆の戦争経験に焦点をあてることにより、課題の達成を果たしたい。東アジアから見た日本像はどのようなものかを具体的に明らかにすることを通じて、「戦前=戦争の時代/戦後=平和の時代」という現代日本の自己イメージを問い直すことにつながるだろう。

なお、本研究は、2013年度予備研究「強制連行の戦後史:東アジアの「和解」に向けて」(コーディネーター:張宏波。以下、2013年度予備研究)を引き継ぐものである。

 

中間報告

 

年度報告